量子もつれと
遠隔ヒーリングの関係
量子力学の世界では、距離はまったく関係ありません。5センチでも5キロでも500万キロでも、エネルギーは同じように伝わります。
これは、量子もつれという現象のおかげです。量子もつれとは、量子というとても小さな物質の粒が特別な方法で関わり合うことで、お互いの状態が強く結びつくことを意味します。
2022年には、アラン・アスペ博士、ジョン・クラウザー博士、アントン・ツァイリンガー博士の3名が、この量子もつれの研究でノーベル物理学賞を受賞しました。例えば、AさんとBさんがじゃんけんをするとしましょう。
普通は、何回かじゃんけんをすると、グー、チョキ、パーがランダムに出ますよね。
でも、もしAさんとBさんが100回じゃんけんをして、100回ともあいこ(同じ手を出す)になったとしたら、それは非常に不思議なことです。普通はそんなことは起こりませんが、量子もつれがあると、このようなことが起こります。
つまり、量子もつれがあると、一方の量子の状態がわかれば、もう一方の量子の状態も確実にわかります。たとえば、一方の量子が「1」の状態ならば、もう一方も必ず「1」、一方が「0」の状態ならば、もう一方も「0」となります。
これを使って遠隔ヒーリングを説明すると、遠隔ヒーリングは、離れた場所にいる人の健康や気分を良くする方法です。ヒーラー(癒し手)が送るエネルギーや思いやりが、
遠くにいる人に届くという考えに基づいています。量子もつれのように、ヒーラーと遠くにいる人の間に見えない絆があるとすれば、ヒーラーが送るポジティブなエネルギーや思いやりが、相手にも伝わり、相手の状態を良くすることができるのです。
このように、量子もつれの不思議な性質を利用することで、遠く離れた人々がつながり、助け合うことができるのです。
量子力学という最先端の学問理論が、このような遠隔ヒーリングの考え方を支えています。そして、2022年にノーベル賞を受賞した研究は、この理論がしっかりとした科学的根拠を持っていることを示しています。
遠隔ヒーリングを科学的に説明する試みの一つとして、「量子もつれ」(Quantum Entanglement)が挙げられます。量子もつれとは、2つ以上の粒子が一体となって振る舞い、たとえどれほど遠く離れていても、片方の状態が即座にもう片方に影響を与える現象を指します。
この現象は、量子力学の基本的な原理の一つであり、アルベール・アインシュタインが「恐ろしいほどの遠隔作用」と表現したことで有名です。
2022年のノーベル物理学賞は、量子もつれの実験的な検証において画期的な成果を上げた3人の物理学者に授与されました。
彼らの業績により、量子もつれの現象が実際に存在することが確認され、従来の物理学の常識を覆す新たな知見がもたらされました。
アラン・アスペ博士(仏サクレー大学)は、1982年に一連の実験を行い、ベルの不等式の破れを示しました。これにより、量子もつれが現実の現象であり、古典物理学では説明できないことが証明されました。
ジョン・クラウザー博士(米クラウザー研究所)は、ベルの定理を実験的に検証する先駆的な研究を行い、量子もつれの存在を実証しました。彼の研究は、量子力学の非局所性を支持する重要な証拠となりました。
アントン・ツァイリンガー博士(オーストリア・ウィーン大学)は、量子テレポーテーションなどの実験を通じて、量子もつれの応用可能性を広げました。彼の研究は、量子情報科学や量子コンピューティングの発展に大きく寄与しました。
これらの研究者たちの業績により、量子もつれの現象が実在し、瞬時に情報が伝達される可能性が示されました。
これを遠隔ヒーリングに応用する考え方は、ヒーラーとクライアントが量子的に「もつれ」状態にある場合、ヒーラーの意図やエネルギーが即座にクライアントに伝わるという仮説に基づいています。
さらに、遠隔ヒーリングの科学的な根拠として、以下の要素も考慮されます:
心理的および生理的ストレスの軽減: 遠隔ヒーリングセッションを通じて、受け手がリラックスし、ストレスが軽減されることが、全体的な健康状態の改善が期待できます。
- 遠隔ヒーリングは、現時点では主に仮説kや経験的な証拠に基づいていますが、量子もつれなどの最新の科学的知見により、
そのメカニズムの一端が解明されつつあります。科学的な探求が進むことで、今後さらに多くの証拠や理論が提供されることが期待されます。